H. K.

事業推進本部
DM室 室長

個人の知識を社内の資産へ

デザインはもはや呼吸と言い切るフォースリーきってのアルチザン。しかし職人にありがちな頑固さ、頑なさとは無縁である。好奇心旺盛かつ柔軟な発想で次々と社内に新しい風を取り入れてきた。そしていよいよ社内教育に本格的に着手。さてその中身はどんなものか。
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教え上手なアルチザン

これまでもデザイン業務とデータ分析、そしてそれらに紐づく指導というかコーチングのようなことはやってきたんですが、いよいよ正式に教育に注力しようという運びになりました。人が増えましたからね。昔からいる人は知っているけど新人は知らない。そういうことが散見されるわけです。そこで知識の循環をテーマに社員教育をやろうと。

たとえばクオリザが計測できないとき、現場のみんなはソースコード読めないので私のところに持ってくるんですね。それはいいんだけど、解決方法を各自が共有しているかというとできていない。なので同じことの繰り返し。ここをなんとかしたいという話です。

基本的にはクオリザやログリザ、データ系をメインに、デザインの原理原則などもやりたいねと林さんとは話しています。ただ内容を書き出すだけで無限に広がってしまうので、いまはロードマップを作るところからはじめています。知識の循環という観点でいえば現場の人たちが持っている知識を貯める仕組みも必要ですし。

答えだけを与えないようにする

マニュアルづくりのポイントは答えだけ与えないようにすること。なおかつ読むのに時間がかからないようにする。これを両立させるのは本当に難しいです。どうしてそうなるかをわかっていないとまた同じ繰り返しになりますからね。ただ、その場で困っていることが解決しないのもダメ。いかに考えさせるようにするか、なおかつ読みやすくするか。

実は新卒研修は2018年からやっているんですよ。データサイエンス研修と質問力研修。データサイエンスのほうはものすごく頭を使うので、毎年「一番疲れる研修」と好評です(笑)。一方、質問力は現場に出る前だとちょっと効きにくい。6月ぐらいに振り返りでやったほうがいいかもな、と思っています。

こういった組織運営に関わることは、以前はあまり興味がありませんでした。現場でやりたいことだけやっていたいタイプなので。でもさすがに10年も在籍して、年齢的にもキャリア的にももう少し組織を良くしたいという気分が出てきた。特にきっかけはないんですが、ごく自然にそう思えるようになってきたんです。

私には何を言っても大丈夫、な環境づくり

フォースリーってフラットに何でも言い合える風土。でも人数が増えて組織が大きくなるにつれて、私は好き勝手言ってるけど果たしてみんなは私に好き勝手言えているかな?と感じることが増えてきて。もちろん誰とも当たり障りのない会話はできるんだけど…もう少し相談というか、私には何を言ってもいい環境を作りたい。今回の教育の取組みでそれがみんなに伝われば、と思っています。

これは個人的な課題でもありますね。これまで好きなことだけやってきて、コミュニケーションにあまり重きを置いてこなかった。もともとちょっと遠慮気味なところもあって…自分の半径5メートル範囲内のことはわかるけど、部門を一歩離れるといまいちわからない。このあたりも改善していきたいと思っています。

そういえば少し前にライトニングトーク大会をやった時のこと。いきなりやりますよと言っても手が上がらないと思って、各部署1~2名を厳選してオファーかけたんです。そうしたらみんな、意外と快諾してくれて。「いつもお世話になっているのでお手伝いさせてください」みたいに言ってくれた。だから案外こちらから一歩踏み出せば上手くいくのかも、と期待しています。