M. G.

業務推進本部 社長室

アクセルとブレーキの
見極めが肝心。

縁の下の力持ち、という言葉は彼女のためにあるのではないだろうか。ひとことで管理部の仕事といってもいろいろあるが、彼女ほど幅広い守備範囲を誇るバックオフィスも珍しいだろう。その活躍ぶりは経理や総務といった職種名の枠に到底おさまるものではない。まさにこれからのフォースリーには欠かせない存在である。しかし本人は「まだまだ能力が足りていない」という。果たしてその真意はいかに。
Profile

【my favorite】
文鳥 / カワウソ / 料理 / 生肉 / 睡眠 / ふとん / お祭 /我が子達

出戻り第一号として。

実は林と私は、中学時代からの古い友人なんです。最初に一緒に仕事をしたのは、フォースリー以前に林が立ち上げた会社が銀座にあった頃。深川の家から通えて、幼い娘に何かあったとき歩いてでも通えたので、お手伝いさせてもらっていました。でも渋谷にオフィス移転が決まってしまい、さすがに距離があるので一度抜けることに。それからも何度か林とはコンタクトを取っていました。いつも「事務職探してるからいつでも声かけて」なんて気にしてくれて、本当にありがたかったですね。その間、私は私で別の会社で事務や営業なんかも経験していました。

そうこうするうち娘も大きくなり、そろそろ戻れるんだけど…と私のほうから連絡を入れました。林は「おお、わかった」と即断即決で。うれしかったですし、いつでも戻れる会社基盤を作れていることが素直にすごいな、と思いました。林と久しぶりに一緒に仕事をして感じるのは、以前より懐が深くなったということ。そして張っているアンテナの本数が格段に増えたってこと。目の配り方が全方位に向けられている感じです。

相談できる仲間、上司に恵まれて。

メインの業務は経理、労務、総務なんですが…完全になんでも屋ですね。受付もすればお茶も出す。社会保険の手続きに走ったと思えば、床の汚れを磨いて落とす。備品が足りなければ発注するし、月末には数字も締める。これまでの経験で活きていないものは何一つありません。前職までとの違いがあるとすれば…全て自分ひとりで判断しなければいけなかったのが、フォースリーには相談できる仲間がいる。上司の智恵や知識を借りることもできる。これは私にとって大きな変化というか収穫ですね。いままでは手探りでやっていた仕事も、ここなら合っていれば肯定されるし、間違っていても正してもらえる。

それ以上にありがたいのはアドバイスをいただくことで、自分の想定を超えるクオリティの仕事になるということです。考え方に深みが増したり、スキルも磨けたり。周囲のみんなにいろいろ教えてもらっています。そしてそれは同時に自分自身の力不足と向き合うことでもあるんです。ああ、全然まだまだだなあって、しょっちゅう痛感していますね

情報量と情報処理能力を高めたい。

特に課題だと捉えているのは、ひとつには情報量の少なさ。そしてもうひとつは情報処理能力の低さです。常に何かを調べたり、データを用意するときに歯がゆい思いに駆られます。だって、上司の山田に相談すればあっという間なんですよ。あちこちから引き出しがでてきて、一瞬にして必要なものが目の前にあらわれる。これはこうしたほうがいい、あれはそれじゃダメだ、これならここにあるよ…って。それが私の場合、こうやってこうかなぁ、とか、ここにあるかな、というような状態。時間がかかって仕方がないんです。その差はまさに雲泥ですよ。

それを鍛えるためには、まず全般にわたって知識が足りないのでインプットするしかないと。あとはこんなに恵まれた環境なんだから、どんどんキャッチアップして経験値を高めていかなきゃとも思っています。周囲が優秀な人ばかりで、みんながポンポン答えを出している間に私だけ取り残されてしまいかねない。気づけば話が終わっていたりするので、必死についていってます。前職の時にはある程度仕事ができるんじゃないかと思っていたのですが、フォースリーに入った途端、ひよっこに戻っちゃいましたね。

バックオフィスとしての立ち位置を明確に。

フォースリーはここのところ急激に規模が拡大していますよね。それだけにこころがけていることがあります。それはまずお金を産み出す部門のみなさんがより良く動ける状態をつくる、ということです。世間的にみれば管理部門はコストセンター。だからこそ少しでもフロントに貢献したい。そのためにできることをひとつずつやっていきます。そしてその上で、だからといって何でもOKとは言わない。何でもアリにしてしまうと、それは必ずしもプラスになりませんからね。その引き際みたいなものは明確にしていきたいと思っています。

それと組織のスケールが大きくなったとしても、常に他部署のみんなとコミュニケーションを取れる仕組みをつくっていきたいですね。どうしても部門ごとに分かれていくと、お互いの距離が離れてしまいがちじゃないですか。みんながポジティブで前向き。発言にきちんと意味がある。どうせ、みたいな言葉は使わず、どうにかしようという気持ちを前提に動いている方ばかり。そういうメンバーたちとの接点が薄くなるのって個人的に寂しいし、みんなに何でも話してもらえるようになりたいんですよね。

ベテランにして謙虚。押さえるべきツボをしっかり押さえている。彼女の存在はもはやフォースリーに欠かせないものとなっているようだ。抜群の安定感で会社の基盤を守ってくれるからこそ、事業部門はいっそう伸び伸びと現場を飛び回れるのだろう。自分に課している高いハードルを飛び越えたとき、いったいこの会社のバックオフィスはどうなっているのだろう。明日のフォースリーへの期待はやまない。 (取材・構成・文/早川博通 撮影/小野千明)