アドネットワーク業界全体の広告基準の健全化を目指したい。

株式会社Speee/中嶋 尭也様

「解き尽くす。未来を引きよせる。」というコーポレートミッションのもと、データドリブンな事業開発の連鎖でデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する。運営するアドネットワークプラットフォーム『UZOU』を通じて、インターネット広告がユーザーにとって有益なものであり続けるために、広告と真摯に向き合い、健全化に取り組み続けている。

Mission

広告業界及びプラットフォームの広告基準の適正化

プラットフォームの課題、広告業界全体の課題、どちらも解決するには

ーまずは、Speee様の事業内容をご説明いただけますでしょうか。

Speeeは、「解き尽くす。未来を引きよせる。」というコーポレートミッションのもと、データドリブンな事業開発の連鎖でデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する企業です。マーケティングDX事業、リアル産業DX事業など幅広い領域に展開しています。
私が所属しているのはアドプラットフォーム事業部というところで、ネイティブ広告の配信プラットフォーム「UZOU」を運営しています。
UZOUは膨大なデータを処理する独自開発のアルゴリズムにより、 記事の文脈やユーザーの行動に沿った広告が掲出できることが強みのプロダクトです。私自身は、審査管理者として、プラットフォームの思想やそれに基づく審査基準自体の策定及び実作業を行う審査者との連携を行っております。

ー「LOGRIZa」にお問い合わせをいただいた理由や導入に至る背景について改めてお伺いできますでしょうか。

連絡させていただいた背景は、主に2つの課題の解決のためです。

1つ目はUZOUとしての課題ですね。UZOUでは高い広告審査基準を設けています。しかし、代理店様に入稿いただいた広告がUZOUの審査を通過したにもかかわらず、審査通過後の段階で広告内容が書き換えられて、結果的に審査基準を満たしていない広告が配信される事象が発生しておりました。
このようなUZOUの設ける広告審査基準が反映しきれない課題に対しての解決策を探っていたことが一つの背景です。

2つ目は、業界全体の課題解決も図りたいと考えていたためです。
審査通過後の広告内容の書き換えは、他のプラットフォームでも起きています。本来配信されるはずではなかった不適切な広告がWEBメディアに配信され、その先のユーザーに届くことは誰にとっても不利益なことで、とても深刻な業界課題だと感じていました。これは現在も感じています。
上記の不利益をもたらす不適切な広告は、強い訴求を伴うことが多いので瞬間的な成果を上げることは確かにできます。しかし、これはその広告商材自体のブランド毀損に繋がりますし、不適切な強い訴求によってCVRが向上すると、プラットフォーム内での入札に勝ちやすくなり、結果として適切な訴求の広告が負けやすい構造が生まれます。当然、UZOUにおいてはそのような構造ではなく、適切な競争環境が生まれるように審査基準を設けていますが、アドネットワーク業界、ひいては広告業界全体に適切な競争環境が設定されることを願っています。
適切な訴求を行っている広告主様や広告代理店様からすれば、不適切な広告が配信されやすい構造のプラットフォームや業界は相手にされなくなってしまうのではないか、という危機感も持っていました。そうした状況を変えたいという想いがあり、フォースリー様への問い合わせ、そしてLOGRIZaを導入させていただきました。

適切な広告基準の中で、長い目線で運営していきたい

ーまさに、弊社が「なぜLOGRIZaを開発したか」という経緯にもピッタリとハマっていたんだな、と改めて嬉しい限りです。
LOGRIZaをご利用いただいている中で、具体的にどのように活用されているのか、また導入した成果をお伺いできますでしょうか。


LOGRIZaは任意の広告URLを登録しておくことで、その後の変化を分かりやすく記録してくれます。活用方法としては、そちらの機能を使ってそのページが審査通過後に書き換わっていないかを定点観測する形で、審査の基準を担保しています。UZOUの審査基準を守っていくことに一役買っていただいていますね。
成果としては、2021年の導入当初はページの書き換えが実際に発生していたのですが、その数がかなり減ってきています。定量的なデータからも、「LOGRIZa」を導入した成果は出ていると思いますね。

ーこのようにご活用いただいているというのは、弊社としても非常に嬉しい成果です。
一方、広告が停止される、ということは貴社としては売上減にも繋がるわけですよね。


正直に言えば、数字の部分で影響は出ています。
UZOUはプラットフォームとしての思想を大事にしていて、健全な競争環境がある広告市場を作っていきたいと思っています。
先ほど申し上げましたことと類似いたしますが、同じ案件でも他のプラットフォームで訴求の強い広告が出てしまえば、うちのプラットフォームに配信されている健全な訴求の広告が競り負けてしまう、というような状況は実際に起き得る構造にあるのですが、これって結局中長期的な、継続的な売上ではないと思っています。僕らは適切な広告基準の中で、長い目線で戦っていきたいと。

アドネットワーク業界全体の広告基準の健全化を目指して

ー非常に頼もしいお言葉ですね!
実際に活用されている貴社からみて、LOGRIZaはどのような課題をお持ちの企業様にお勧めされますか。


そうですね、僕らと同じように業界の課題だったり、広告の適正化に課題を持っているプラットフォーマーさんや、そのさらに上流の広告主様にも導入いただきたいと思っています。僕らとしても導入した2年ちょっとの間に結果が出てきていますので、同じように利用していただいて業界全体に変化が見られれば一番いいかなと思います。

ー最後に、改めて今後プラットフォームの立場として貴社が目指すことと、LOGRIZaに期待すること、一緒に実現したいことをお伺いできますでしょうか。

弊社としては、アドネットワーク業界全体の広告基準の健全化を目指したいと思います。 その中で貴社には、LOGRIZaをより多くの企業様に導入していただきたいと思っています。
弊社としてこのような取り組みをしていますが、残念ながら、広告業界の課題として、不適切な広告配信というのはまだ根深く残っている印象です。 広告に携わる多くのステークホルダーに導入してもらいながら、適正な広告配信がデファクトスタンダードになっているような世界を作っていただきたいです。 我々が目指す、広告主、メディア、ユーザーの三方良しの世界を実現すべく、今後とも幅広くお取り組みをしていきたいと思っています。